バレエ発表会に向けたストレッチは、本番直前と普段の練習後で方法を分けることが大切です。本番前は体を温めながら動かすストレッチ、練習後や入浴後はゆっくり伸ばすストレッチを行います。
痛みを我慢して無理に開脚したり、短期間で柔軟性を大きく変えようとしたりするのは避けてください。伸びている感覚はあっても、関節や筋肉に鋭い痛みが出る場合は中止します。
発表会に向けたストレッチの基本的な順番
基本は、体を温める → 動かしながら伸ばす → 練習後にゆっくり伸ばすという順番です。
- 軽く体を温める
歩く、軽く跳ぶ、足踏みをするなどして、体温を上げます。いきなり深い開脚や前屈を始めないでください。 - 動的ストレッチを行う
股関節、肩、足首などをゆっくり動かします。反動をつけすぎず、可動域の中で脚を前後・左右に振る動きなどを行います。 - バレエの動きにつなげる
プリエやルルベなど、発表会で行う動きを小さく確認します。体の左右差や痛みがないかを確かめます。 - 練習後に静的ストレッチを行う
筋肉が温まっている状態で、呼吸を止めずに一つの姿勢を20〜30秒ほど保ちます。痛みが出ない範囲で行ってください。
本番前に行いやすいストレッチの方法
本番前は、長時間姿勢を保つ静的ストレッチよりも、体を動かしながら筋肉を準備する方法が向いています。会場では床の状態や広さを確認し、周囲の人や荷物にぶつからない場所で行います。
足首とふくらはぎ
壁やバーに手を添え、片足ずつ足首をゆっくり回します。その後、両足で立ってかかとを上げ下げし、ふくらはぎを軽く動かします。
足首を回すときは、痛みが出ない範囲で小さく動かしてください。かかとを上げたときに足指へ力が入りすぎないよう、足裏全体で床を感じます。
股関節と脚
片手でバーや壁を支え、脚を前後に小さく振ります。慣れてきたら、脚を左右に動かしますが、腰を反らせたり、骨盤を大きく傾けたりしないようにします。
脚を高く上げることよりも、軸足で安定して立ち、腰や膝に負担をかけずに動かせることを優先してください。
背中と肩
肩を前後にゆっくり回し、腕を大きく動かします。両手を組んで前へ伸ばし、背中を軽く丸める動きも行えます。
肩をすくめたり、首を強く回したりする必要はありません。首に違和感がある場合は、肩や腕だけを動かします。
練習後や入浴後に行うストレッチ
練習後や入浴後は、筋肉が温まっているため、ゆっくり伸ばすストレッチを行いやすい時間です。ただし、温まっていると柔らかく感じやすいため、勢いをつけて伸ばさないでください。
前ももと股関節の前側
横向きに寝るか、立った姿勢で壁を支えます。片方の膝を曲げて足首を持ち、かかとをお尻へ近づけます。腰を反らさず、太ももの前側が伸びる位置で姿勢を保ちます。
お尻と股関節の外側
仰向けになり、片方の膝を両手で抱えて胸の方向へ近づけます。反対側の腰が床から浮かない範囲で行うと、腰をひねりすぎにくくなります。
内もも
無理のない範囲で開脚し、背中を丸めすぎない姿勢を取ります。前へ倒れる場合も、胸を床につけることを目標にせず、内ももが軽く伸びる位置で止めます。
膝が内側にねじれたり、股関節の奥に痛みが出たりする場合は、開く角度を小さくしてください。開脚の角度を広げることだけが、バレエに必要な柔軟性ではありません。
ふくらはぎと足裏
壁に手をつき、片足を後ろへ引きます。後ろのかかとを床へ近づけ、つま先と膝の向きをそろえます。足裏は、テニスボールなどを強く踏みつけず、軽く転がす方法でもほぐせます。
発表会までの期間別の取り組み方
| 時期 | 行うこと | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 数週間前 | 練習前に動的ストレッチ、練習後に静的ストレッチを続ける | 急に長時間の開脚を始める |
| 前日 | いつもの軽いストレッチと睡眠、衣装や靴の確認を優先する | 柔軟性を高めようとして強く伸ばす |
| 当日 | 体を温め、発表会の動きを小さく確認する | 冷えた状態で深いストレッチを行う |
ストレッチを続けても、発表会までに必ず開脚や脚の高さが変わるとは限りません。短期間は柔軟性の変化より、体を安全に動かせる状態を整えることを目標にします。
ストレッチ中に注意する症状
伸びているような軽い張りは起こることがありますが、次のような症状がある場合は中止してください。
- 鋭い痛み、刺すような痛みがある
- 膝、股関節、足首、腰に痛みがある
- しびれや力が入りにくい感覚がある
- 動かした後も痛みや腫れが続く
- 以前のけがをした場所に違和感がある
痛みや腫れが続く場合、けがの後に練習を再開する場合、成長期で強い痛みがある場合は、保護者や担当講師に相談し、必要に応じて医療機関で確認してください。講師から個別の指示を受けている場合は、その内容を優先します。
バレエ発表会に向けたストレッチのポイント
発表会前のストレッチは、本番前は動きながら、練習後はゆっくり、痛みのない範囲で行うのが基本です。毎回同じ量を無理なく続け、柔軟性だけでなく、足首・股関節・体幹の安定も確認しましょう。
最初に行うのは、軽い足踏みや歩行で体を温めることです。その後、脚や腕を小さく動かし、痛みや左右差がないことを確かめてから、発表会の動きへ進みます。







